野菜の育つ条件、福井という場所

 当社株式会社インスフィアファームは、2007年に福井県で設立されました。農場は景勝地である東尋坊のほど近く、日本海の見える高台にあります。写真奥に見えるのが日本海です。

 最初はビニールハウス2棟からのスタートでしたが、おかげさまで現在ビニールハウス33棟、農場面積5ha(東京ドーム2.5個分)の畑で野菜を生産しております。

 北陸福井県では、冬場は豪雪地帯に数えられるほどですが、甘さのしっかり乗った葉もの野菜をじっくり育てるのに適しています。また海沿いということもあり、夏場でも猛暑を避けて野菜の生産ができる場所です。

 甘さのしっかり乗った葉もの野菜、たとえば根まで甘いホウレンソウを作るためには、夜間温度が0℃近くになる日が20日ほど必要です。いくら味の良い品種を使って肥料や水管理に懸命に努めても、0℃・20日の条件を満たせなければ残念ながら味は綺麗に乗ってはきません。反対に0℃・20日の条件を満たせるのであれば、多少の品種の違いや栽培の失敗をものともせず、かなり甘く美味しいホウレンソウができます。

 同じ葉もの野菜でも反対に、夏場に昼気温が35℃を超える気候の場合にはエアコンなしではどれだけ頑張っても良品は作れません。気温のせいで一日に1度ならず2度も3度も水を撒く必要がでてきて、どうしても葉が水を吸いすぎて間のびします。散水により肥料も流出してしまいますし、直射日光によって葉についた水が湯に変わり、作物自身が傷んでしまったりもします。日光を遮断するカバーをかけても、弱々しく育った葉になってしまい、良品とは言えないものになってしまいます。葉もの野菜を夏場に作るには、最高気温は平均30℃がギリギリ上限でしょう。

 このように、農業技術だけではどうにもならない条件こそがその場所の気象であり、農業生産にとって最も大切な要素となります。

 当社代表がハウス2棟を使って一人で福井で農業を始めたときには、まずはその気象の中でぎりぎり可能な作物を探していきました。野菜を一種類づつ、夏の気温に負けないぎりぎりのもの、冬の寒さでも育つぎりぎりのものを探していきました。様々な実験の結果、大変幸運なことに、福井県という場所は全国でも珍しく夏でも冬でも葉もの野菜がぎりぎり育つ条件を満たしていました。このような理由があって、当社では葉もの野菜が主力商品となっております。その後さらに試験を進め、ハーブや根もの野菜も一年中供給できる体制を取れるようになっております。

 とはいえ未だに気象条件の理由で、どうしても一年中出荷できない野菜が数多くあります。いずれは、例えば夏にもっと涼しい場所、冬にもっと暖かい場所に農場を展開する予定です。いずれ来るその時を楽しみにしていただき、応援していただけますと幸いです。